手にあるもの

くらしのしるし

庭の落葉樹たち

家を建てて10年。

庭に植えた5本の落葉樹が見上げるほどに育った。

カツラ・ミズナラヤマボウシシナノキ・シャラ、どれも高木になるもの。

 

カツラは株立ちで、現在は我が家の2階と同じほどの高さ。数年前から「今年こそは剪定を」と思いながら手が回らず、ここまで大きく育ってしまった。

 

ミズナラは1本立ち。剪定で大きさを押さえているが、生命力が強くどんどん枝数を増やしていって枝も葉も密になるので冬ごとの枝落しが欠かせない。

 

シナノキ。植えてからの数年はあまり元気がなく枝葉の数も増えず、切り倒すことになるかも…と思いながら様子を見ていた。今ではすっかり見上げる高さに成長。6月頃に咲く白い小花は甘い良い香りがして、蜜蜂たちの蜜源となっている。

 

今年のヤマボウシはいつもより多くの花を咲かせてくれた。他のお宅で見かけるヤマボウシは葉が隠れるほど白い花を株いっぱいに咲かせているけれど、我が家は枝葉に隠れてひっそりと咲く程度の奥ゆかしさだった。10年目にして白い花いっぱいの木を見ることができた。

 

今年はシャラの木(ナツツバキ)も多くの蕾をつけている。一日花で、株いっぱいに咲き揃うというより株のどこかで毎日ぽつりぽつりと咲いている感じの咲き方だ。開花時期が梅雨と重なることもあって、花びらが雨を含んでいつも重たげに咲いているイメージがある。

 

この10年間は木が庭になじむための時間だったのかなと思う。急に輝いて見えはじめたのが去年。それまでどこか頼りなげだったのに、人でいう青年期のように生き生きとして、力強い頼もしさを感じるようになった。圧倒されるエネルギーだ。